380万円節税!相続税だけではなく譲渡所得税も節税!相続税の小規模宅地の特例と所得税の譲渡所得の空き家譲渡の特例を活用した事例
基本情報
被相続人 | 父 |
相続人 | 兄、妹 |
相続財産 | 数億円 |
相談時の状況は?
ご兄妹それぞれ独立され、お父様は生前独り暮らしでした。ご兄妹とも将来的にお父様の生前の居所に戻る予定はなく、いずれご売却をお考えでした。
ご自宅はご兄妹で1/2ずつの持分で相続されました。
相談への対応
相続税の節税が可能な「小規模宅地等の特例」は、同居している親族のみが使えると思われがちですが、要件を満たすことで同居していない親族でも適用できます(いわゆる「家なき子特例」)。
今回は妹様が要件を満たしたので、妹様の相続分について特例を適用し相続税の節税ができました。
特例を受けるには相続税の申告期限まで所有する必要がありますので、すぐに売却しないようアドバイスさせて頂きました。
また、相続によって取得した空き家を売却する際には、要件を満たすことで最高で譲渡所得から3,000万円までの控除が受けられます(いわゆる「空き家特例」)。
今回は空き家特例の要件も満たしたため、上記の小規模宅地の特例の要件である相続税の申告期限を待って速やかにご売却され、売却益に係る所得税の節税もできました。
なお、今回のように共有で相続された場合は、共有者ごとに3,000万円までの控除があります。
※居住用家屋の相続人の数が3人以上の場合はそれぞれ2,000万円までの控除となります。
No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
参考サイト(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
No.3306 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
参考サイト(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/3306.htm
対応による結果
相続税については、土地10,787千円の評価額が、妹様の相続分1/2に対して小規模宅地の特例を適用することで、6,472千円の評価額となりました。
また、土地の売却による所得税については、ご兄妹それぞれの譲渡所得7,000千円(売却益総額14,000千円の1/2)が控除額30,000千円以下のため、ご兄妹ともに所得税は発生しませんでした。
【節税額の詳細】
当初の計算 | 笘原拓人税理士事務所の計算 | |
土地 | 10,787千円 | 6,472千円 |
評価の差 | △1,726千円 |
当事務所にご依頼いただいたことで、相続税△1,726千円、所得税△2,100千円の節税!
今回の対応のポイント
今回のように、生前のお住まいを将来的に誰も継ぐご予定がなく、処分を考えられるケースも多いかと思います。今回は小規模宅地の特例と空き家特例のいずれも要件を満たしたため、二つを併用し、相続税、売却に係る所得税の両方を大幅に節税することが可能となりました。
なお、空き家特例の適用を受けるためには、それぞれの市区町村が発行した被相続人居住用家屋等確認書を添付する必要がありますが、手続きが煩雑なため、ご依頼を頂ければ弊所にて代理で発行手続きをさせて頂くことも可能です。