新札に変わることのタンス預金への影響と相続税

2024年7月に新札発行が予定されています。「新札発行」と「相続税」、何の関係があるのと思われる方がおられるかもしれませんが、実は関係が大アリです。
この記事では、2024年の新札発行が相続税にどんな影響を与えるのかについて解説します。

新札の発行の目的について

相続税申告書

政府が新札を発行する目的はお札の偽造防止です。偽造をする技術も年々上がってきており、その対策として近年ですと20年ごとに新札を発行し、最先端の技術を取り入れ偽造を防止しています。今回の新札は新たな偽造防止技術として、世界初となる最先端の3Dホログラムが採用されたそうです。

しかし新札発行の公の目的は偽札防止ですが、裏の目的の1つは「タンス預金」のあぶり出しと推察されています。なぜ新札発行がタンス預金のあぶり出しにつながるのでしょうか。
新札が発行されても旧札が使えなくなることはありませんが、旧札の流通が少なくなると、今まで旧札で行っていたタンス預金を新札に交換する必要性が出てきます。その際に、銀行などの金融機関で大きな金額を交換すると記録が残ってしまい、税務署等に財産を把握されると考えられます。つまり、新札発行によってタンス預金があぶり出されてしまうというわけです。

また、タンス預金はお金の持っている高齢者が行いがちです。政府は新札発行によって高齢者のタンス預金をあぶり出し、消費を促し経済を回すこと、贈与等によりお金が若い世代へ流れることを狙っているようにも思えます。

 

「タンス預金」と相続税の関係について

タンス預金のメリットとしては、すぐに使える、銀行の倒産や口座凍結と関係がない、家族や国に把握されない、等が挙げられます。一方、タンス預金のデメリットとしては、災害、盗難、紛失等のリスク、相続トラブルになるリスク、等が挙げられます。
タンス預金のメリットとして「相続税の対策となる」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、税務調査によって発見される可能性が高いので、辞めておいた方が良いです。調査によって発覚した場合、重加算税や延滞税が課される可能性があります。
なぜ発見される可能性が高いかといいますと、税務署は相続税の調査にあたり銀行口座(家族の口座まで)を調べることができます。数年~数十年にわたり、給与等の収入を銀行口座からお金を引出しタンス預金を貯めたとしても、その引出し記録などは分かってしまいます。

 

では、どうしたらいいのか?

タンス預金はいざという時には役立ちますが、上記に挙げたデメリットがあるので金額が多いと考えものです。 タンス預金のメリット・デメリットを踏まえて、これからタンス預金をされる方は、金額を数万円~数十万円程度にしておきましょう。数十万円程度でも金額が大きいので金庫などに保管するとよいかもしれません。

現状、たくさんの旧札で多額のタンス預金をされている方は、上記でご説明した通り税務調査でバレる可能性が高く相続税対策にはならないので、消費する又は投資を行う、紛失等のリスクを考えて銀行に預け入れを行う、相続税に備えて生前贈与を活用するなどの対策を考えましょう。
タンス預金を銀行へ預け入れる際ですが、一度に銀行に多額の旧札を銀行の窓口に預け入れようとすると、マネーロンダリングの疑いがあると思われてしまう可能性があります。預金の原資が犯罪や表に出せない資金でなくても、多額の旧札を入金しようとすれば、疑われて当然となります。


最後に結論としてタンス預金は申告すべき相続財産ですので相続税の節税対策とはなりません。 タンス預金は少額にとどめ、うまく生前贈与を活用し、適法に相続税対策を行いましょう。


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