相続税申告書の提出方法と提出先は?添付書類まで解説
投稿日:2023.05.17
2024年7月に新札発行が予定されています。「新札発行」と「相続税」、何の関係があるのと思われる方がおられるかもしれませんが、実は関係が大アリです。
この記事では、2024年の新札発行が相続税にどんな影響を与えるのかついて解説します。
目次
相続税申告書の提出方法は全部で3つ
申告書の提出方法は次の3つの方法があります。
・税務署へ直接持参
・郵送
・e-Taxを利用した電子申告
相続税の申告には期限があるため、期限内として取り扱われるには提出のタイミングが重要です。
税務署へ直接持参する場合
税務署へ直接持参した場合には、申告書に控えを準備し(ここが一番大切)、原本と控に収受印を押印してもらいます。
収受印の日が申告期限内であれば問題ありません。
もちろん「申告期限が今日だ」という場合には、税務署に直接持ち込むことで期限内扱いになります。
収受印のある控えは、期日内に申告したことを立証する書類ですので、大切に保管しましょう。
郵送で送る場合
消印が申告期限内であれば問題ありません。
税務署も分かるように収受印の日を押印してくれます。
e-Taxを利用した電子申告の場合
2019年から相続税も電子申告が可能になりました。
ただ、相続税の申告書は所得税確定申告書と違い添付書類が多いです。
そのため、添付書類は別途郵便で送る必要があります。
それであれば、郵便とほとんど手間が変わらない、もしくはむしろ手間が増える可能性がありますので、相続税の電子申告は一般の方は検討しない方が良いと思います。
申告期限の例外
申告期限が土曜・日曜・祝日にあたる場合は、その翌日が期限となります。
相続税申告書の提出先の税務署は?被相続人の所轄税務署か相続人の所轄税務署か
被相続人の住所地を管轄する税務署に提出します。
住所地は被相続人の住民票の除票で確認できます。
相続税申告書の提出だけでは終わらない?添付書類が必要な場合と種類について
相続税の申告は、実務上は申告書だけを提出して完了ではありません。
添付書類も併せて提出します。
この添付書類は「必ず必要になるもの」と「場合によって必要になるもの」の2種類に分かれます。この2種類についてどのような書類があるのか解説しましょう。
相続税申告書の提出時には必須となる書類
相続税申告書を提出する場合は、次の書類が必須となります。
そのため、事前に「どこに取得しに行くのか」「誰の分が必要なのか」を明確にしておきます。
同時に役所や役場などに行く順番を決めておくことで、段取りよく書類が収集できます。
・被相続人の除籍・改製原戸籍 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・被相続人の住民票除票
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票(本籍地記載あり)
・相続人全員の印鑑証明書(遺言がない場合)
・遺産分割協議書(遺言がない場合)
・遺言書のコピー(もしあれば)
・相続人全員のマイナンバー(なければ個人番号ありの住民票と運転免許証の写しなど)
なお、税務署へ提出する添付資料はコピーで良いのですが、相続人全員の印鑑証明書だけは原本である必要があります。
多くの場合は葬式費用が発生していると考えられるため次の2つも必要です。
・葬儀費用の請求書・領収書
・お寺さんへの支払いに関するメモ など
場合によっては必要となる書類
預貯金や手許現金が「ない」ことは少ないですが、過去5年の履歴をもとに「贈与が発生していないか」「名義預金はないか」を確認する必要もあります。
申告書作成の時には以下の書類を確認しておきましょう。
【預貯金がある場合】
・預貯金の残高証明書
・過去5年分の通帳のコピーか預金取引履歴
・手元現金
【不動産がある場合】
・名寄帳
・登記簿謄本
・公図・地積測量図
・住宅地図
・賃貸借契約書
【生命保険金・退職金がある場合】
・死亡保険金の支払調書
・保険証券のコピー
・解約返戻金のある保険証書のコピー
・退職金手当支払計算書
【有価証券がある場合】
・社債・国債等取引残高報告書
・株主総会通知書
・配当金支払通知書
・直近5年分の顧客口座元帳(顧客勘定元帳)
・証券会社の残高証明書
【債務がある場合】
・借入金の残高証明書
・金銭消費貸借契約書
・未納の租税公課の納税通知書
・未払金の領収書
第三者が発行した書類は非常に信憑性が高く、証拠能力が高いものと判断されます。
その他、死亡保険金はみなし相続財産として課税の対象になりますから、保険会社が発行する支払の書類は証拠書類になります。
準備しておくと良い書類
以下の書類は、生前贈与がある場合に必要になるケースがあります。
・贈与契約書
・贈与税申告書の控
・相続時精算課税制度選択届出書の控
相続税申告書だけでなく提出先や添付書類も重要
相続税の申告は、申告書をミスなく記載することも必要ですが、提出期限や提出先、同時に提出する添付書類も重要です。
除籍謄本と住民票を確認しながら、正しい提出先の税務署へ提出し、添付書類も併せて提出することで申告業務は完了です。